+ + FLY Golden Fish FLY + +




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赤と白の小さな魚を貰ってきたら、シオンは、揚げ物にして食べるのか?と聞いてきた。
観賞魚ですよ。と返すと、シオンは興味が失せた顔で、魚は食用だろう。と言った。

浅い硝子の鉢に二匹は放たれた。
長い尾ひれをヒラヒラとはためかせ、藻の下を掠め泳いでゆく。
赤い金魚がシオンで、白は貴鬼ですよ。
指をさしたら、小突かれた。バカモノ。私が赤なら、白はお前だろうが。と。
小さな魚が、そうだと言わんばかりに、パシャリと跳ねた。

孤独である事の淋しさを知っているのか、魚たちはいつも寄り添うようにして、過ごしているようだった。
魚に淋しいなどあるか、とシオンは言ったけれど。その声に覇気はなく、シオンにしてはどこか自信の無いように聞こえた。

元気の良い赤い魚は、よく跳ねていた。空中で綺麗に反転して、水滴を散らしながら、白い魚の待つ水へと戻る。
陽のあたる窓際に置いてあった水盤は、常にキラキラと輝いて、天井にもその反射で出来た美しい波紋が、ユラユラと揺れていた。

だが。魚たちの蜜月は、長くは続かなかった。
永遠の虚空を目指し、赤い魚は飛んで、…息絶えた。
それ以来、白い魚はあまり動かなくなった。けれど時々、何かを探しているように、水盤の隅々まで何度も何度も泳いで回るのだった。

赤い魚の消えた数日後、あとを追うように白い魚が消えた。
不可解だったのは、赤い魚は金魚鉢の側で動かなくなっていたのに、白い魚は文字通り、消えてしまっていたことだ。
そのヒレで、本当に空を飛んで行ってしまったのかもしれない、とムウは思った。
本当のところ、猫にでも持っていかれてしまったのだろうけど。
あるいは。
今まさに、黄金色に揚ったフライを食べようとしているシオンを、ムウはちらと見て、首を振った。
まさか、…ね。


+ + END + +



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□都合のイイ、作者のいい訳;□



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